新年明けましておめでとうございます。
微生物学のホームページでは、研究室の最新情報をアップデートすると共に、
感染症の最新動向も時々解説していきます。
2025年1月、中国でヒトメタニューモウイルスによる呼吸器感染症が流行しています。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/01/531367_1.php
ヒトメタニューモウイルスは、ニューモウイルス科に属する一本鎖RNA(-)ウイルスで、感染後、咳、発熱、鼻水などの”風邪様症状”を引き起こします。感染した人の免疫によっては、インフルエンザに似た類似した症状が出ます。ヒトメタニューモウイルス感染症は、小児期呼吸器感染症の5-10%、大人の呼吸器感染症の2-4%を占め、再感染を繰り返し免疫をつけていきます。一方乳幼児の一部や高齢者では、重症化し肺炎に移行することがあり、注意が必要です。
このウイルスの発見は2001年ですが、100年以上前にトリからヒトへ感染したと考えられており、多くの人がこのウイルスに対する免疫を持っています。このため現時点では、このウイルスは世界に大きな問題をおこさないと考えられていますが、詳細がわかり次第、情報をアップデートしていきます。